グッド・ライ~いちばん優しい嘘~

4月17日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー!

誰かのやさしい嘘で、今日も世界は救われる。

彼女が引き受けた最難関のミッションは、アメリカにやってきた難民の兄弟の就活だった。この混乱に満ちた世界から生まれた、心揺さぶる感動の物語。

ABOUT THE MOVIE

INTRODUCTION

1983年アフリカ大陸のスーダンで内戦が始まり、
数万人の子供たちが両親の命と住む家を奪われた。
2000年になりアメリカとスーダンが協力し、
難民キャンプで育った3600人の若者たちを
全米各地に移住させる計画を実施。

突然、自由の国への切符を手渡された若者たちと、
彼らを受け入れたアメリカ人たちとの間に、
いったいどんなドラマが起きたのか──?
‘ロストボーイズ’と名付けられた彼らの実話をベースにした物語を、『ビューティフル・マインド』でアカデミー作品賞と監督賞に輝いたロン・ハワードが製作、『ぼくたちのムッシュ・ラザール』でアカデミー外国語映画賞にノミネートされたフィリップ・ファラルドーが監督、そして『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』で、アカデミー賞始め、数々の栄えある賞を獲得したリース・ウィザースプーンが主演する。 キャリーと一緒になって激しいカルチャー・ギャップに大笑いするうちに、やがて彼らの純粋さと誇りに胸を揺さぶられ、熱い涙が溢れだす! 人と寄り添って生きることの素晴らしさを思い出させてくれる、エモーショナルな感動作がついに日本公開!

STORY

カンザスシティーの職業紹介所で働くキャリーは、アフリカから到着したマメールと2人の仲間たちを空港まで迎えに行く。彼らは内戦で両親を亡くした、“ロストボーイズ”と呼ばれる難民たちだ。
そつなく仕事をこなしてきたキャリーに与えられたのは、
電話を見るのも初めての彼らを就職させるという、
最難関のミッションだった。
車に乗せれば一瞬で酔うし、
牧場を見ると「猛獣はいますか?」と確認、
面接では珍回答の連続で、なかなか仕事が
決まらない彼らに最初はイラつくキャリーだったが、
その成長を見守るうちに思いがけない友情が芽生え始める。
徐々に新生活が軌道に乗り始めたかに見えたころ、悪い報せが入る。仲間の1人が「いくら働いても誰にも相手にされない」と怒りと悲しみを爆発させて問題を起こし、警察に連行されてしまったのだ。そしてその事件は、アメリカ生活でマメールたちがひっそりと耐えていた痛みや不満を暴きたててしまう。
 傷つかないで済むからと、他人と距離を置いて生きてきたキャリーが、3人を助けようと立ち上がる。
果たして、彼女の信じがたい決断とは──?

PRODUCTION NOTE


始まりは、脚本家のマーガレット・ネイグルが、ロストボーイズと呼ばれるスーダンの内戦孤児たちのことを初めて知り、彼らのストーリーを伝えなくてはならないと強く感じたところからだった。それから彼女は世界中の新聞から記事を集め、国中を飛び回っておよそ1000人のロストボーイズと会い、膨大な量のリサーチを行い、本作の脚本を書き上げた。

そして自身がこのテーマに深い関わりを持つ監督フィリップ・ファラルド―のもとにこの脚本が届く。ファラルドーはこう明かす。「94年、ドキュメンタリーを作っていた友人と戦時中のスーダンに滞在していた。2度の集中砲火に遭い、国連から避難を言い渡された。人々を置き去りにし、自分たちだけが助けられることに罪の意識を感じた。もちろん僕に責任はないけれども、その場を飛び立つ時、彼らを見捨てたと感じたんだ。その感覚が消えないままこの脚本を読んだ。あの場に戻って、彼らの物語を語り継ごうと思ったんだ」


マーガレットはキャリー役にリース・ウィザースプーンを念頭に置いて執筆していたが、脚本を手にしたリースはすぐに出演を決めた。命からがら生き延びるような経験をしたことがないキャリーの目を通して、観客たちは世界の見方を一変させることになる。「これは2つの異なる世界、文化が出会う話だと思ったの。マメールたちはアメリカで新しい人生をスタートさせるけれども、文化的違いを乗り越えるのは誰にとっても難しいチャレンジよ。それは受け入れるアメリカ人にとっても同じことで、この物語は皆の間の垣根を取り払って、共通する孤独や忍耐、家族の大切さという人間性をお互い見出していく物語なの。たくさんのいい問題提起になると思ったわ」

ファラルドー監督は、スーダン人キャストを外国に移住させられたスーダン人の中から選ぼうと決めた。「彼らはみんな心の内にこのストーリーを抱えている。本人たちだけが持つ偽りのない魂をこの映画に込めて欲しかった。役にはまりつつ、この出来事に直接的な関わりを持っている俳優を見つけ出すのに苦労したよ」
ファラルドーとキャスティングディレクターのミンディ・マリンは、俳優を求めて世界中のスーダン人コミュニティをあたった。探索の旅はアメリカを飛び出し、南アフリカ、ナイロビ、トロント、イギリス、オーストラリアなど、行き場を失ったスーダン人が移り住んだ外国地域へと広がった。
ファラルドーの努力は実を結び、映画の中核を担う俳優たちが集まった。マメール役のアーノルド・オーチェンは、父親の死後2歳の時に母親と共に戦地から逃げてきた。ジェレマイア役のゲール・ドゥエイニーとポール役のエマニュエル・ジャルは共に元ロストボーイズで、幼い頃に少年兵にさせられ無情な扱いを耐え抜いてきた。
「全体で1500人以上はオーディションをしたと思う。僕が間違っていないか、彼らは感覚的に分かるんだ。戦争を生き延びてきたキャストたちが、僕の一番の相談役になったよ」

最初キャリーは自分の依頼人たちの過去にとりわけ興味も抱かず、ただ仕事を全うしようとする。しかし段々と、絶望の中に希望を見出す3人の青年たちに心惹かれていく。電話の意味も理解できず、ベッドよりも床でごろ寝をする方を好む彼ら。21世紀のアメリカの日常生活に対する反応や、物事を言葉通りに受け取る姿勢に、彼女は驚きと面白みを感じていく。一方マメールたちは、キャリーの立ち居振る舞い、独身で子供のいないことに対する無関心さ、誰にも守られずに独りで世界と対峙する”生き延びるスキル“に、驚嘆する。キャリーにとってもマメールたちにとっても、この出会いはお互いの人生観を変える経験となるのだ。
ファラルドーは語る。「幼い頃にとてつもない経験をしたとしても、人生を通して見れば笑えて感動できる瞬間もある。彼らはすでにアメリカの風景に溶け込んでしまっているんだ。でも実際はいまなおスーダンでは緊張状態が続き、何も解決には至っていない。」
「僕たちが何を彼らに与えられるかだけじゃなく、彼らが僕らに何を与えられるかを知ることが重要なんだ。1人の人間同士としてね。世界の見方はいくらでもあるし、僕らのものがすべてではない。本作のテーマはそんなところにある。僕の映画に共通するテーマは‘人’なんだ。自分のことは知っているし、少なくとも知っているつもりではある。じゃあ自分の周りの人のことは知っていると言えるかな。他人を自分の人生に迎え入れるのは大きな賭けだ。でも賭ける価値のあるギャンブルだよ」

CAST


1976年、アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。批評家、観客ともに共感を呼ぶ存在として、ハリウッドでひっぱりだこの女優。伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(05)のジューン・カーター・キャッシュ役でのすばらしい演技により、06年アカデミー主演女優賞、英国アカデミー賞主演女優賞、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞、全米映画批評家協会賞、ピープルズ・チョイス・アワードのほか11本もの賞を受賞。名実共にハリウッドのトップスターになり、2010年にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの仲間入りを果たした。ほかにも、ゲイリー・ロス監督の『カラー・オブ・ハート』(98)、愛らしいエル・ウッズ役で大ヒットした映画『キューティ・ブロンド』シリーズ(01/03)、女性メインで展開されるラブコメディという新ジャンルを築いた『メラニーは行く!』(02)、ミーラー・ナーイル監督の『悪女』(04)、などさまざまな代表作を持つ。2012年、ウィザースプーンは、製作のブルーナ・パパンドレアと、パシフィック・スタンダード・フィルムスを立ち上げ、『Wild』(原題)、『ゴーン・ガール』などのベストセラー本の映画化を始め、様々なジャンルで精力的に製作を行っている。

1983年生まれ。1999年よりイギリスのTVシリーズ「Grange Hill」に出演。2008年映画『Adulthood」』に出演後、ロンドンのストリートでアラブ系イギリス人として生きる困難を乗り越える10代の兄弟を描き、様々な映画祭で賞に輝いた『My Brother the Devil』(02)に出演した。2011年には英国アカデミー賞にノミネートされたチャンネル4の犯罪ドラマシリーズ「Top Boy」にも出演。その他、長編映画『4.3.2.1』(10)や、ロンドンのヤングヴィック劇場での舞台「Brixton Rocks」にも出演している。

1978年、スーダン南部のアコボで生まれる。第二次スーダン内戦のさなか、強制的に少年兵として徴兵される。14歳の時にエチオピアへの逃亡に成功、その後ケニアへ渡り16歳の時にアメリカで難民として受け入れられた。2004年映画デビュー作『ハッカビーズ』で難民の役を演じた。2010年には、ラッセルの別の監督作品『ザ・ファイター』にも端役で出演。その後『Restless City』(11)ではより重要な役を演じた。2010年に、自ら主演を務めたドキュメンタリー作品『Ger: To Be Separate』を製作。18年間生き別れになった家族を捜しながら、少年兵から難民そしてハリウッド俳優及び国際的モデルに至るまでの彼の長旅と、生まれて初めて賛成票を投じ2011年7月9日に実現した祖国の独立を祝うまでを追っている。

南スーダンの戦闘地域に1980年代初め頃に生まれ、少年兵として人生を歩む。想像を絶するほどの困難を乗り越え、ラップアーティストとして音楽の道へと進む。2014年には5枚目のアルバムとなる「The Key」をリリース、グラミー賞受賞アーティストであるナイル・ロジャースとのコラボレーションも収録され、2曲(「Scars」と「We Fall」)が本作のサウンドトラックとして使用されている。演説家としての呼び声も高く、国連、米国議会などさまざまな政府の高等機関で演説を行い、2012年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズに選出されている。 また、戦争や貧困の被害に打ち勝つための慈善団体Gua Africaを創設、2010年から立ち上げた「We Want Peace」というキャンペーンでは、独立投票前のスーダンですべての人々の平和と安全と正義を訴えた。ピーター・ガブリエル、アリシア・キーズ、ジョージ・クルーニー、元大統領ジミー・カーターなど、幅広い分野の一流アーティストや著名人がこのキャンペーンを支援、カルガリー平和賞、ハント・インスティトゥートよりヒューマニタリアン賞、ドレスデン平和賞、マティ・ステパネク平和賞、そして国連のパン・ギムンより南スーダンでの平和活動に、栄誉が授けられた。

1976年アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。批評家からも観客からも愛される俳優。ウディ・アレン監督の『ミッドナイト・イン・パリ』(11)で、ヘミングウェイ役を演じて高く評価され、インディペンデント・スピリット賞にノミネートされる。また、デヴィッド・フィンチャーが監督したTVシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」でのピーター・ルッソ議員役は大好評を博し、2013年ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。その他、『ソルト』(10)、『ボーン・レガシー』(12)、『フライト・ゲーム』(14) などに出演。2014年からギレルモ・デル・トロが脚本・監督を務めるTVシリーズ「ザ・ストレイン」に出演し、話題を集めている。最新作『Black Mass』(原題)は2015年公開予定。

STAFF


1968年、ケベック・ハル生まれ。社会政治学と国際関係学を学んだ後、1988年コンテスト形式のテレビシリーズ「La Course Destination Monde」に参加。世界中を旅し、20か国で短編映画20作を作り上げ、見事グランプリ受賞を果たした。その後、アジア人のカナダ移住を描いた政治風刺ドキュメンタリー「Pâté chinois」を監督。2000年には初の長編作『La Moitié gauche du frigo』で、トロント国際映画祭の初監督作品に贈られるベスト・カナディアン・ファースト・フィーチャー賞を、そして2001年ジニー賞ではクロード・ジュトラ賞など数々の賞を獲得した。2006年、長編2作目『Congorama』は、カンヌ映画祭の監督週間のクロージング作品となった。2008年、3作目となる『C’est pas moi, je le jure』は、トロント国際映画祭で初上映され、翌年、ベルリン国際映画祭における4歳以上の子どもを対象にした映画部門で、クリスタル・ベア賞とドイツ児童映画賞を獲得した。2011年の作品『ぼくたちのムッシュ・ラザール』は、トロント映画祭で最優秀カナダ映画賞を獲得したほか、ロカルノ映画祭とロッテルダム国際映画祭で、いずれも観客賞を受賞。2012年にアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされ、全世界で50以上の国と地域に配給された。

彼女が初めて観客と批評家の注目を集めたのが、2005年のTV映画「ルーズベルト 大統領の保養地」。フランクリン・ルーズベルトの人生を彼の障がいの観点から描き出し、幅広い称賛を受けた本作でエミー賞では作品賞 (テレビ映画部門)を受賞し、ほか16部門にノミネートされた。またネイグルは全米脚本家組合賞(長編テレビ映画部門)を受賞し、ヒューマニタス・ペン賞にもノミネートされた。2010年TVシリーズ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」シーズン1で脚本および統括プロデューサーを務め、全米脚本家組合賞(新シリーズ部門)を受賞し、エミー賞作品賞 (ドラマ部門)にもノミネートされた。作品はゴールデン・グローブ賞作品賞(ドラマ部門)を獲得した。2014年のTVシリーズ「Red Band Society」では、スティーヴン・スピルバーグのアンブリン・エンターテインメントを通じて製作総指揮と脚本を務めている。

1954年アメリカ・オクラホマ州ダンカン生まれ。世界で最も人気のある監督の1人であり、製作者である。批評家からの称賛が高い『コクーン』(85)や『バックドラフト』(91)を始め、大ヒットコメディ『スプラッシュ』(84)や『バックマン家の人々』(89)、世界的ヒット作『ダ・ヴィンチ・コード』(06)など、ハリウッドの歴史に残る映画を世に送り出してきた。1995年『アポロ13』で自身初の全米監督協会長編映画監督賞を獲得、アカデミー賞9部門にもノミネートされ、編集賞、音響賞で受賞を果たした。『ビューティフル・マインド』(01)で、初めてアカデミー賞監督賞を受賞し、このほか作品賞、脚本賞、助演女優賞を獲得。最近の作品では、『シンデレラマン』(05)、『フロスト×ニクソン』(08)、『ラッシュ/プライドと友情』(13)で製作と監督を務める。『フロスト×ニクソン』では作品賞を含むアカデミー賞5部門にノミネートされた。
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